NPO法人 ウィメンズ・サポート・オフィス 連


いきいきと自分らしく生きたい女性をサポートします

−女たちが集い、語り合い、分かち合う、そこから何かが生まれる−



夫婦や親子の関係、自分の生き方、職場や地域の人間関係などで、一人で思い悩んでいませんか? 私たちは話し合いを通して、自分自身の問題や課題に気づき、より良い方向をさぐっていくためのサポートをいたします。悩んでいることがあったら一緒に考えてみませんか。


最初のページに戻る

体験記

「自己表現トレーニングとの出会い」
藤木 直子(仮名)

私は一人暮らしをはじめ何か勉強したいと思っていたところ、広報に区で主催する「自己表現トレーニング(AT)」の講座の参加者を募集しているのが目にとまり、すぐに応募しました。

私はただ座って聞いているだけで講師が教えてくれるものとばかり思っていましたが、はじまってみると参加型の講座でした。

はじまってすぐに宿題が出されました。

今までの生活の中で、自分が言いたかったのに言えなかった場面を「いつ、どこで、誰に、どのような場面で言えなかったのか、本当に言いたかったことは何か」を書き出してくるというものでした。

それはトレーニングの中で使われるということでしたので、自分の体験場面が取り上げられるかもしれないとは思っていましたが、私の宿題が選ばれたときはとても緊張しました。
 
ドッキリした一言

そのときの内容は

仕事が終わって帰りがけに
   友人:「買い物に行きたいので付き合ってくれる」

    私:「いいよ」

でも、私の本当の気持ちは
    「今日は疲れているし、用事もないし早く帰って休みたいので行きたくない」

というものでした。

トレーニングは参加者が輪になって座り、その中に向かい合わせに椅子2つを置き、そこに私とトレーナーが座り「言えなかった」場面を再現していくものでした。いよいよ「言えなかった」場面の再現です。再現が終わるとトレーナーに「練習ですからとりあえず本当に言いたかったことを言ってみましょう」と言われ、やってみましたが、最初は本当の気持ち「行きたくない」を伝えて断ることはできませんでした。トレーナーから「なぜ本当の気持ちが言えなかったの?」と聞かれ、私は「せっかく誘ってくれたのにその日は特に用事もないし、断るのは悪い気がします」「彼女が一人で買い物に行くのは寂しいのではないかと思いました」と思っていたことを伝えました。するとトレーナーは私に「それって、いいかっこし〜なんじゃない?」と言いました。私はその一言にドキッとしましたが、そのとき「そうか私はいいカッコしていたのか」と思いス〜と心に落ちた感じがしました。

次にトレーナーは、参加者に「皆さんだったらどう断わりますか」と投げかけました。すると「用事があるからと嘘をついて断わります。」「私は行けないけれど○○さんを誘ってみたらと言ってみます」などの意見が出てきました。トレーナーは「時には嘘もつかなくてはならないこともありますが、トレーニングでは嘘をついたり、他人に自分がいやなことを押し付けたりするのではなく、自分の本当の気持ちを率直に伝えることを練習しましょう」と言いました。

それまでの私は人によく思われたいという思いが強く、人に何か頼まれたら無理をしてでも嫌な顔をしないで引き受けていました。でも後でなぜいいといってしまったのか後悔したり、疲れてイライラしたりしていました。また自分が頼んだのに断わった人や、嘘を言って断っている人をみると、なんてやさしくない人なのだろうかとも思っていました。

相手を尊重し自己を優先する

私は今まで「断る」ということはいけないことのように思っていましたが、トレーニングを受けたことで私の中に染み付いた「いいかっこし〜」を発見し、そんな自分自身を受け入れることで、自分の本当の気持ちを大切にできるようになり、人との関係も良くなったと思います。そして自分の気持ちを正直に伝えて関係が悪くなってしまったとしても、自分をごまかしてまで付き合うことはできないし、それは仕方がないとも思えるようにもなりました。

講座の中でトレーナーが言っていた「相手を尊重し自己を優先する」ことが少しはできるようになって随分気持ちが楽になりました。





Copyright(C) 1996-2007 Women Support Office REN. All rights reserved.